劇団 新制作座 法人概要
法人名 | NPO法人 劇団 新制作座 |
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住 所 | 〒193-0826 東京都八王子市元八王子町2-1419 星槎高尾キャンパス内 |
連絡先 | TEL 042-661-0001 FAX 042-661-6702 |
理事長 | 眞山 蘭里 |
設 立 | 1950年(昭和25年) |
演 目 | 演劇 泥かぶら , 朗読劇 泥かぶら |
ご挨拶 ―創立70周年にあたって―
昭和25年10月、第二次世界大戦の深い傷痕と廃墟の中から、新制作座は産声をあげました。
大衆の中で大衆と共に演劇を創ることを目標に、平和への限りない希求と人間の可能性をうたい上げ、「日本中が私たちの劇場」を旗印に掲げ、70年間ただ演劇一筋に歩みつづけて参りました。
大衆の持つ真実を見抜く眼と、健康なエネルギーと、温かい励ましと友情のなかから、眞山美保という作家が誕生し芸術性と大衆性を高く統一したユニークでオリジナリティー豊かな眞山美保作品の数々が創りだされました。
「泥かぶら」「草、青見たり」「馬五郎一座顚末記」「あゝ薔薇の花は何処に咲く」「鳶の巣村快挙録」「青春」「野盗、風の中を走る」等、そしてまったく新しい演劇形式を創造しようと意図する「新制作座フェスティバル」の数々の作品など―。
創立二十周年を記念して、眞山美保の父、眞山青果作品の系統的連続上演を目指した、眞山青果劇場を発足し、「頼山陽」「江戸城総攻」「平将門」「嵐の中の男たち‐颶風時代‐」「坂本龍馬」を眞山美保演出で世に送り出して参りました。
新制作座の歴史は、眞山美保の魂を糧とし、その作品を柱として活動してきた歴史と言っても過言ではありません。
その師、眞山美保も冥府に赴き早14年の歳月がながれました。これからの劇団は何のために演劇を創るのか?どんな作品を世に送り出すのか?日々悩み考えています。
「語る人」という眞山美保の寓話(『野盗、風の中を走る』の上演プログラムより)をご紹介いたします。
俳優は本来「語る人」でありました。
その昔、彼は、共同体の意志をまとめたり、みんなを勇気づけたり、そのために現実を鋭く分析し、人々と固く結びついていました。良く透る声を持ち、表情豊かな。人並すぐれて立派な肉体の所有者が選ばれて、俳優になったのです。彼は、民衆の指導者でした。
だが、ある日、共同体に支配者が現れ、民衆は被支配者の位置に置かれたのです。
支配者は自分の利益のために、さわやかな弁舌と魅力を持った彼を利用しました。
人々は、彼が彼自身の意志でないことを見抜きました。
彼自身の事であるかのように一層巧みに語らねばなりませんでした。
その日から、彼は「語る人」であることをやめ、「演じる人」になったのです。やがて、脚本が与えられ、演出家が支持し、彼は、ますます「演じる人」として技術を高めて行きました。
私たちは「語る人」でありたいのです。
70周年にあたり、私たち新制作座は、眞山美保の考えた俳優の仕事、演劇人としてのスタンスをもう一度見つめ直し、この困難な時代を皆様と共に人間賛歌を謳い歩み続ける所存でございます。
変わらぬご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。
令和2年3月 新制作座一同